大判例

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東京地方裁判所 昭和43年(借チ)1050号 決定

〔主文〕申立人の本件増改築を許可する。

〔決定理由〕2 昭和三五年に相手方は、申立人が相手方の承諾なしに右借地の一部(約一・五二坪)を隣地の借地人の借地の一部(約二・四坪)と交換して塀を認けたことを理由として、申立人に対し賃貸借契約を解除し、建物収去、土地明渡の訴訟を提起したが、相手方の契約解除はその効力を生じないものとして、相手方の請求を棄却する判決があり、右判決は昭和三九年三月確定した。

3 本件借地契約は、昭和四二年五月一四日に約定期間を満了し、同日更新された。もつとも、相手方は、昭和三九年六月賃料不払いを理由として契約を解除したと主張しているが、相手方は前記無断転貸を理由とする契約解除後申立人の提供する賃料を受取らないため、申立人は以来賃料を供託しているのであるから、右賃料不払いを理由とする相手方の契約解除はその効力がないものというべく、その他相手方において更新を拒絶するに足りる正当の事由を認めることもできない(なお、申立人は前記訴訟終了後も賃料を供託しているのであるが、相手方は判決確定後間もなく右のように契約を解除している事実からみて、右供託は有効と認める)。

4 本件賃貸借契約においては、増改築を制限する旨の特約の存在は認められない。

三 以上の事実を前提として考えると、右のとおり増改築を制限する特約は存在しないけれども、相手方との間で無用の紛争の原因を与えないためには、本件申立てを許容する裁判をするのが相当であるというべきである。なお、本件増改築は本件建物を全部取り毀して新築をするものではないが、かなり大がかりな改築といえる。しかし、本件建物のうち前記計画の上で残存する部分は、近い将来に朽廃が問題となる程度に達しているものとは認められないし、かつ、賃貸借契約は前記のとおり昨年更新されたばかりである。従つて、本件申立てを許可することは、相手方に対して著しい不利益を与えるとはいいがたい。(西村宏一)

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